2017年5月1日

産業用太陽光発電を導入するメリットは?

住宅用と何が違う?

一般に産業用太陽光発電といわれるのは、出力が10kW以上の太陽光発電システムを指し、10kW未満の設備は住宅用とされています。近年は、非住宅用の産業用システムが増えており、オフィスや学校、商業施設、工場などの屋根の上やビルの屋上に設置されているのは、ほとんどが10kW以上のシステムです。

今回は、産業用と住宅用のシステムの違いや、企業が太陽光発電を導入するメリットについてご紹介します。

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【目次】

1. 産業用太陽光発電と住宅用太陽光発電の違い

2. 産業用太陽光発電が対象の「全量買取制度」とは

3. 企業が産業用太陽光発電を導入するメリット・デメリット

4. 産業用太陽光発電のコスト

5. 収益とコストのバランスの見極めを

産業用太陽光発電と住宅用太陽光発電の違い

太陽光発電の導入区分は、平成29年度の改正法施行で「住宅用(10kW未満)」「非住宅用(10kW以上2,000kW未満)」「非住宅用(2,000kW以上)」の3つに分類されました。

●産業用太陽光発電とは

便宜上、設置場所が一般住宅以外の太陽光発電を産業用太陽光発電に分類していますが、正しくは、出力10kW以上のシステムのことを産業用太陽光発電といいます。そのうち、1,000kW以上の産業用太陽光発電は、メガソーラー(大規模太陽光発電)とも呼ばれます。

●住宅用太陽光発電との違い

産業用と住宅用の違いは、システムの出力規模だけでなく、固定価格買取制度による電力買取方法にも違いがあります。固定価格買取制度は、太陽光発電の電力を電力会社が長期にわたり固定価格で買い取る制度ですが、住宅用は買取期間10年で「余剰買取」、産業用の場合は買取期間20年で「余剰買取」と「全量買取」を選択できるという違いがあります。

設置環境が違うので太陽光モジュールの仕様や強度、設置方法もそれぞれ適したものに変わります。太陽光発電パネルやパワーコンディショナー、設置架台など付属する機器は、出力の大型化に伴い、それぞれ対応する機器が必要となります。

また、買取方法の違いによって電力メーターの種類も異なります。電力会社に発電した電力を買い取ってもらう場合は、買電メーターに加えて、電力を売るための売電メーターの設置が必要です。さらに、産業用を設置している一部の事務所などでは、太陽光発電用の買電メーターも設置するため、3つのメーターが必要になることもあります。

しかし、近年ではスマートメーターへの移行が進んでおり、売電用と買電用のメーターが1つでまとめられています。

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産業用太陽光発電が対象の「全量買取制度」とは

産業用太陽光発電は10kW以上のシステムのため、固定価格買取制度における全量買取を選択できます。ここでは、全量買取制度を中心にわかりやすく解説します。

固定価格買取制度の内容

固定価格買取制度は10kW以上の産業用の場合、発電した電力を電力会社が20年間、一定価格で買い取ることを義務付ける制度です。電力会社による固定買取価格は毎年、再エネの普及状況や発電コストなどを考慮して決定され、平成29年度の場合、産業用10kW以上2,000kW未満の買取価格は1kWh 当たり21円です。制度がスタートした平成24年度の買取価格は40円で、平成28年度は1kWhあたり24円と買取価格は一貫して引き下げられています。

「全量買取」と「余剰買取」の違い

固定価格買取制度には「全量買取」と「余剰買取」があります。余剰買取は自家消費を前提にしており、太陽光発電システムで発電した電力を家庭で使用して余った分を売電する方法ですが、全量買取は発電したすべてを売電する方法です。太陽光発電をビジネスとする事業者のための制度で、オフィスや学校、商業施設などのビルや空き地などに設置された10kW以上の太陽光発電が対象となります。発電した電力はすべて買い取りの対象のため、自家消費する電力はこれまで通り電力会社から購入します。

産業用の売電単価は住宅用に比べて割安ですが、買取期間が長く設定されています。太陽光発電を事業としてとらえた場合、長期固定価格で売電できる安定したビジネスといえます。それに対して住宅用の場合は、太陽光発電の普及拡大と省エネ・節電の促進が目的であり、節電すればその分余剰電力が増えて売電収入が大きくなるように設定されています。

太陽光発電設備の性能向上や設置価格の低下から、一般家庭でも10kW以上の太陽光発電設備を設置できるようになり、産業用太陽光発電が大幅に増加しています。

FIT法改正後の買取価格

平成28年度にFIT法の内容が大幅に改正され、平成29年度から数年先の価格目標や入札制度などが導入されました。

1) 10kW未満の住宅用太陽光発電

出力制御対応機器設置義務なし:28円(平成30年度の価格目標は26円、平成31年度は24円)
出力制御対応機器設置義務あり:30円(平成30年度の価格目標は28円、平成31年度は26円)

2) 10kW以上2000kW未満の非住宅用太陽光発電

1kWh当たり21円+税

3) 2000kW以上の非住宅用太陽光発電

入札制に移行し、落札した価格が買取価格となります。

平成29年10月頃に第一回入札実施が予定されています。(平成29年5月現在)

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企業が産業用太陽光発電を導入するメリット・デメリット

太陽光発電は環境への配慮はもちろん、売電することで経済的なメリットがあります。では、企業が産業用太陽光発電を導入するメリットには、どんなものがあるのでしょうか。

メリット

土地やスペースの有効活用

多くの企業は工場などの生産設備のほかに、本社ビルや倉庫、流通拠点などさまざまな建物や未活用の土地などを保有しています。広い遊休地があれば、大規模太陽光発電施設として利用したり、使われていない屋上や大きな建物の屋根などを有効活用したりできます。

自社で発電設備を所有することで非常用電源の確保にもなり、停電や災害時などの万一の場合に予備電源として社員を守ることにもつながります。また、建物の屋根やビルの屋上に設置することで直射日光を遮れるため、発電だけでなく室内の温度上昇を抑制するなど、副次的なメリットも期待されています。

経済効果

10kW 以上の設備は全量買取ができるので、一定の収益をあげることができます。出力規模が大きいほど収益も大きく安定し、最近ではメガソーラー(1,000kW以上の大規模太陽光発電施設)と呼ばれる設備も増えています。
また、グリーン投資減税制度を利用すれば、青色申告をしている企業や個人事業者が産業用太陽光発電を設置すると、普通償却に加えて取得価格の30%の特別償却を認められるほか、中小企業では取得価格の7%の税額控除を受けることができます。グリーン投資減税は、自然エネルギー設備に対し、一定の減税措置を受けられる制度です。再生可能エネルギーの導入拡大を図る国の政策の一環として実施されており、節税対策にもなります。

CSR(企業の社会的責任)への取り組みをアピール

CSRへの取り組みは、株主や金融機関、取引先企業などの利害関係者に対するアピールだけではありません。企業の持続的発展のためには、地域社会との共存が不可欠の要件となっており、CSRへの取り組みは重要視されています。環境問題にしっかり取り組むことで、社会的な評価や地域における企業市民としての評価を向上させられるでしょう。

デメリット

産業用太陽光発電を導入する前に、デメリットも把握しておきましょう。例えば、産業用はシステム規模が大きいのでシステム単価は住宅用に比べて安くなりますが、総額でみると付属機器を含めた初期費用が高額になります。

また、買取期間が20年と長いため長期のメンテナンスが必要です。改正FIT法では、設備認定だけでなく、保守・点検、さらには発電事業終了後の設備の適切な廃棄など、太陽光発電事業計画全体が事業認定の条件となっています。メンテナンスについては専門の業者に依頼したりする必要があり、設備の維持にコストを要します。経済的メリットを得るためには、ある程度のランニングコストが必要だということです。

また、すべての太陽光発電に当てはまることですが、天気や日射量は予想できません。発電量や収益は、確実に保証されているものではありませんので、ご注意ください。

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産業用太陽光発電のコスト

太陽光発電のコストは、調達価格等算定委員会が毎年度、調達価格(買取価格)を決める際の基礎データとしてまとめています。

システム単価

調達価格等算定委員会のデータによると、10kW以上の産業用太陽光発電のシステム費用(太陽光発電パネル、パワーコンディショナー、架台、工事費を含む)のkW当たりの単価は、出力規模が大きくなるにしたがって低下します。平成28年度の平均値は、10~50kW未満で約32万円、50~500kW未満で約30万円、500~1,000kW未満で約29万円とされています。

高圧連系

太陽光発電設備の規模を大きくすればシステム単価が安くなりますが、一定の規模を超えると、別途費用がかります。50kW以上になると、電力会社との高圧連系契約が必要となり、高圧受電設備(キュービクル)や電気主任技術者の選任・委託、各種保安規定の届出等に伴う費用が必要となります。

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収益とコストのバランスの見極めを

産業用太陽光発電は、ある程度安定した収益が見込まれることから、ビジネスとして取り組む企業が増えています。しかし、産業用の場合、土地、設備に多額の費用が必要な上、売電価格については、長期的に引き下げられる傾向にあります。導入の際は、コストと収益のバランスや会社へのメリット・デメリットを見極めながら検討することが重要なポイントです。

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