2019年5月2日

太陽光発電の設置費用について理解しよう

設置見積りイメージ

再生可能エネルギーへの注目や固定価格買取制度などにより、家庭や企業における太陽光発電システムの導入件数は急激に増加しました。しかし、年々売電単価は引き下げられ、今から太陽光発電を設置してもメリットはあるのか、また、設置費用の収支はどのように考えればよいかなどの不安を耳にするようになりました。

ここ数年は売電による収益だけを目的にするのではなく、災害時の非常用電源や自家消費、電気代の節約、企業であればRE100やESG投資などへの取り組みも注目されています。

今後の市場を踏まえ、太陽光発電の設置費用について解説します。設置費用の目安や、価格の仕組みなどもあわせてご説明いたします。

【目次】

  1. 2019年太陽光発電の設置費用
  2. 設置費用における内訳
  3. 収支計画について
  4. まとめ
低下する太陽光発電の様子

太陽光発電の設置費用は年々低下しています。10kW未満の住宅用太陽光発電システムの設置費用の場合、新築住宅への設置、既築住宅への設置での価格差はありますが、全体平均を比較すると、2012年のシステム価格が46.5万円/kWであるのに対し、2017年は36.4万円/kW、2018年は34.1万円/kWでした。

一方、産業用太陽光発電システムは2012年に1kWあたり42.1万円であった費用が2018年には28.6万円/kWまで下がっています。6年間で約13.5万円、32%の価格ダウンとなっています。

あくまでも平均システム価格ですので、設備の規模や、屋根・土地の条件、選択するパネルのメーカーや設置する架台の材質や形状によっても大きく差は出ますが、住宅用・産業用、いずれも太陽光発電の設置費用は年を追うごとに大きく下落傾向にあります。

ここまで価格が大きく下がっているのはどのような理由があるのでしょうか。いくつか理由がありますが、ここでは大きく2つのポイントに絞ってご説明します。

● 部材の低価格化

太陽光発電システムを構成する太陽光パネルやパワーコンディショナーの価格低下は大きな理由の1つといえます。

パネルを例として考えると、太陽光発電が普及したことで、メーカーは大量生産を行う仕組みができ、黎明期と比較すると、より低価格でパネルの生産をすることが出来るようになりました。
海外メーカーが多く参入してきたことで、価格競争も激しくなったことも1つの要因です。2016年頃には、原料の価格低下と生産過剰により太陽光パネルの価格が急激に下がったこともありました。

価格の低下は必ず続くともいえず、最近では、2018年中国FITの影響で、急激に需要が増え、単結晶パネルのシリコン原料が不足したため、メーカーによっては一時的にパネルの価格が上がったケースもあります。

今後も大きな流れとしては、部材の価格低下が続くことが予想されていますが、時期によっては必要な製品が手に入らない、予定していた部材が高騰化するというケースは今後も頻発します。

品薄情報や、販売終了の時期などをしっかり把握し、目的にあった商材を効率よく準備することが必要になるでしょう。

● 工事の技術力上昇による費用の低下

製品の技術進歩だけではなく、太陽光発電に関する工事技術も目まぐるしい進歩を遂げています。

経験や実績を積み重ねることで得た多くの知見によって、安定した工事を行える事業者が増えています。太陽光発電設備用の専用の杭打ち機などを使うことでの工事の効率化が進んだことも価格低下の後押しになりました。

市場が急激に大きくなる中で、安価だが適切な工事を行わない事業者によるトラブルが問題視された時もありましたが、ここ数年は、経済産業省が設計や施工に関するガイドラインなどを定めたこともあり、準拠できない施工業者は淘汰されつつあります。

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内訳 イメージ

実際に太陽光発電設置にかかる費用はどのようなものがあるでしょう。
太陽光発電の導入時にはさまざまな費用がかかりますが、内訳としては、機器などの部材費・設置工事費・諸費用という主に3つの経費にまとめられます。

● 機器費用

太陽光パネル(モジュール)

太陽光パネルは、メーカーや製品毎に価格も性能も異なります。

購入しやすい安価な価格に抑えられている製品であっても発電量が低いケースもあります。また、価格は多少高額であっても、発電量が高い製品や、経年劣化が低い、また、防汚加工がされている製品など、それぞれに特長があります。

住宅屋根に設置する場合には、サイズやパネルの色も選定のポイントになるでしょう。住宅の景観を損ねないパネルや、変形の屋根にも対応している製品も人気です。大規模な産業用太陽光発電システムの場合、パネル枚数も膨大になりますので、景観よりも価格や発電量を基準に選定することが多いです。

選定時には、メーカーの保証制度や故障時の対応体制なども確認することをお勧めします。不具合が少ないメーカーを選ぶことはもちろんですが、長期にわたる発電事業の中で、故障やトラブルがあった場合の対応が遅い、保証範囲が限られることで、さらなる費用が発生するというケースもあります。

導入時のコストだけではなく、必要な保証内容などを確認したうえで、選定を行う必要があります。

パワーコンディショナー

パワーコンディショナーも、太陽光パネル同様、製品によって発電効率や機能などが大きく異なり、それによって価格も異なります。

産業用太陽光発電システムの場合、「分散型」といわれる容量の小さなパワーコンディショナーを複数台設置するケースと大型パワコンを設置する「集中型」によってもコストは変わります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、導入時の費用だけではなく、立地条件や規模によっての判断が必要となります。

パワーコンディショナーの製品寿命は10年から15年程度とされ、不具合や故障発生の確率が高い機器として考えられています。太陽光パネル以上に保証期間が過ぎてからの交換や修理費用の負担については予め想定しておく方がいいでしょう。

ヒューズレスやファンレスという機能を設けることにより、故障率を下げているメーカーもあり、導入後のトラブル回避のため、そのような製品を導入されているケースも多くあります。

その他

太陽光発電システムは、パネルやパワコン以外にも多くの部材によって構成されています。

住宅屋根に設置する場合には、屋根用架台、空いた土地に設置する野立て太陽光発電システムであれば、設置するための杭や架台システムなどが必要です。設置面積や架台の材質によって価格の差が生じます。
また、積雪や風圧、塩害地域などに対応している架台は、通常製品よりもコストがかかります。

パネルで発電した電気を送るためのケーブルや架台は、機器費用に含まれていることが通常ですが、発電状況を監視するためのモニターや、遠隔監視システム、出力制御システム、売電メーカーなどはオプションになる場合もありますので、導入の際にはあらかじめ確認が必要です。

● 工事費用

設置工事費は、それぞれの機器の据え付けや機器をケーブルで接続するための工事費です。「架台工事」、「太陽光パネル設置工事」、「電気配線工事」、などと区分けされることが多いです。

産業用太陽光発電システムの場合、比較的規模の大きな設備であれば、発電した電気を送電線に送るための送配電設備が必要となり、高額な工事費用が発生することがあります。

住宅用太陽光発電システムであっても、住宅屋根の形状によっては、勾配が急な場合などは安全対策を目的に足場を設置するための「足場工事費」、防水加工が必要な屋根の場合なども別途費用がかかるケースもありますので、あらかじめ確認をした方がいいでしょう。

● 諸費用(その他)

自治体などから補助金を受けるためには申請が必要となります。その際の事務手続きや電力会社の系統連系接続のための立ち会い費用などが「提出書類申請費用」として別途発生します。

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収支計画 イメージ

太陽光発電設置は、初期費用を何年で回収できるか、ということに基づき収支計画を考えます。太陽光発電はメンテナンスフリーといわれていた時代には「初期費用÷年間売電量=初期費用回収にかかる年月」として収支を考える傾向がありました。

しかし、適切な保守管理の必要性が見直された現在は、太陽光発電システムの導入のための総費用(初期費用+ランニングコスト)を割り出し、どの程度の売電による利益が見込めるのかを計算します。

ランニングコストとしては点検や清掃のようなメンテナンス費用、また交換や修理にかかる費用も含んだ方がいいでしょう。保証期間の延長料金や保険料、売電取得によっては所得税の申告などが必要であることも忘れないようにしなければいけません。

固定買取価格が低減し続ける中、発電量あたりのコストである「LCOE(Levelized Cost of Electricity 均等化発電原価)」を指標としてとらえる考え方も注目されています。

発電所の導入に必要となる設備費・工事費・部材費など設置にかかる初期費用と、運転や維持にかかるランニングコスト、また、最近では発電事業終了後の廃棄費用も含んだコストを総費用として考えます。その発電システムが稼働し、数十年後に廃棄されるまでに発電する量(生涯発電量)で割ることで算出される数値が、均等化発電原価となります。

つまり「総費用÷生涯発電量=均等化発電原価 」これによって、1kWhを発電するのに何円かかるのかが明確となります。

発電事業は、パワーコンディショナーの不具合などが発生すると、発電がとまり、その間、売電もストップします。同様に、正しい電気工事が行われず、トラブルが起こると、その修繕などにも費用が発生します。

初期費用が高くなっても性能の高いパネルやパワコンを導入することによって、効率よく発電を行い、生涯発電量を増やすという選択をされる方も多いようです。

固定価格買取期間終了後に、何円で電気を販売するかの目安にもなり、今後の発電事業の指標の1つとなるでしょう。

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比較イメージ

太陽光発電システムの設置費用は大きく下がっており、価格を抑えることは以前に比べると容易になっていますが、費用が安ければ必ず得ともいえません。
予算や収支計画との兼ね合いもありますが、情報を正しく入手し、適正な価格の見極めが必要となるでしょう。

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