2016年11月1日

※2017年8月18日 情報更新

固定価格買取制度とは?

固定価格買取制度とは?売電制度の仕組みと改正FIT法のポイント

平成29年4月1日からFIT法が改正され、買取価格の決定方法も見直されました。太陽光で発電した電気の買取価格が下がりつつある現在、制度改正の動きや今後の動向によっては太陽光発電事業に大きな影響が出ると予想されます。これからの太陽光発電を知るために、あらためて売電制度の仕組みと固定価格買取制度の基本を押さえておきましょう。さらに、改正される制度内容のポイントについてもわかりやすく解説します。

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【目次】

1. 固定価格買取制度の基本

2. 固定価格買取制度の仕組み

3. 固定価格買取制度導入後の状況

4. 新制度における買取申請の手続き

5. 改正FIT法のポイントとは?

6. FIT法改正で注目度が高まる太陽光発電の未来

固定価格買取制度の基本

太陽光発電の普及にこれまで大きく貢献してきたのが「余剰電力買取制度」と「固定価格買取制度」です。

余剰電力買取制度

平成21年11月より開始された余剰電力買取制度は、太陽光発電で創られた電気が自宅での使用量を上回った場合、自宅での消費分を差し引いた余剰電力を電力会社が買い取る制度です。その買取費用は「太陽光発電促進付加金」として、国民が電気料金と一緒に毎月負担していました。

固定価格買取制度

その後、太陽光発電のさらなる普及拡大を目指し、平成24年7月1日からは固定価格買取制度に移行しました。固定価格買取制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた固定価格で電力会社が一定期間買い取ることを義務付けた制度で、FIT (Feed-in Tariff)法とも呼ばれています。「Feed-in Tariff」は直訳すると「上乗せした料金体系」という意味で、電力卸売価格よりも高い価格で一定期間買い取ることを保証することで、再生可能エネルギーの普及を後押しする狙いがあります。

固定買取価格は、経済産業省が設置する調達価格等算定委員会により毎年算定されます。導入から5年を経て太陽光発電の買取価格は段階的に引き下げられてきましたが、再生可能エネルギー設備導入事業者が一定の利潤を得られるように、通常の電力卸売価格よりも高く設定されています。これにより東京電力や関西電力などの一般電気事業者は、再生可能エネルギー電力を通常の電力卸売価格よりも高価で買い取ることが義務付けられています。また、一般電気事業者が電力を買い取るために要した費用は、再生可能エネルギー発電推進付加金として国民がまかなっています。

電力固定買取価格の推移

平成21年11月以前は余った電気を電力会社が自主買取しており、通常の電力卸売価格と同程度の約24円で買い取っていました。余剰電力買取制度が開始され、平成21年度(11月より実施)は10kW未満の住宅用電力が48円、平成22年度も48円、平成23年度は42円と推移しました。10kW以上の産業・事業用電力はその後も約24円で電力会社が自主買取していました。

固定価格買取制度に移行して大きく変わったのは、産業・事業用電力買取の優遇です。平成24年度(7月より実施)は住宅用42円・産業用40円+税、平成25年度は住宅用38円・産業用36円+税、平成26年度は住宅用37円・産業用32円+税、平成27年度の4月1日~6月30日(利潤配慮期間)は住宅用33円~35円(出力制御による)・産業用29円+税、7月1日~は産業用27円+税、平成28年度は住宅用31円~33円・産業用24円+税となり、買取価格は年々引き下げられています。

電力の固定価格は、コストや一定の利潤を算出して通常の電気料金より高く設定されていますが、太陽光発電システムが普及することで、設備を導入する際にかかるコストも下がると見込んでいます。その見込み価格が固定買取価格に反映され、年々価格が引き下げられる結果となっています。太陽光発電だけではなく、風力やバイオマスなどの再生可能エネルギーについても買取価格の見直しが行われていますが、太陽光以外の再生可能エネルギーについては2012年から価格の変化は見られません。太陽光発電の普及がいかに進んでいるかがわかる価格推移となっています。

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固定価格買取制度の仕組み

固定価格買取制度の仕組みとはどのようになっているのでしょうか。その中身を見ていきましょう。

1.再生可能エネルギーで発電

制度の対象となる再生可能エネルギーは、太陽光発電のほかに水力、風力、地熱、バイオマスがあります。固定価格買取制度を受けるためには、設備認定で国が定める要件を満たした設備を設置し、新たに発電を始めます

2.電力を電力会社に売る

太陽光発電の設置容量が10kW以上の場合は全量買取が可能ですが、10kW未満の太陽光発電の場合は、自宅などで消費した残りの余剰分の電力が買取対象です。発電した電気は、電力会社の送電線につないで電力を送るため、まずは発電設備と送電線の接続、および電気の買い取りを電力会社に申し込みます。電力会社によって、接続費用の負担額や接続までに必要な期間などの条件は異なりますので、管轄の電力会社に確認してみましょう。電力を買い取るために、送電・変電設備の拡張などが必要な場合があります。

3.電力会社が買い取る

電力会社との買取契約後、電力会社が電力メーターを検針して売電電力量に応じて毎月買取額が支払われます。この代金は、各家庭から毎月徴収している「再生可能エネルギー発電促進賦課金」から支払われているため、結果として国民が負担していることになります。

4.再生可能エネルギー賦課金

電力会社は、各家庭や企業などすべての電気利用者から毎月の電気料金とともに「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を徴収し、発電事業者から電気を買い取るための費用として充てています。電力小売自由化により、新電力会社からの電気を利用する場合もありますが、この場合でも賦課金は徴収されます。

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固定価格買取制度導入後の状況

固定価格買取制度が導入されてから、再生可能エネルギーの普及は拡大しているのでしょうか。導入状況を見ておきましょう。

再生可能エネルギーの設備容量

FIT制度の開始により、再生可能エネルギーの普及は急速に拡大しました。2013年からの設備容量は年平均伸び率で29%の上昇となっており、そのほとんどが太陽光発電によるものです。太陽光発電の設備容量は、再生可能エネルギー全体の50%以上を占めていますが、設備利用率が低いため発電量では水力や地熱、バイオマスなどが高くなっています。

導入状況

固定価格買取制度が導入される前の平成24年6月末時点では、太陽光発電設備導入量は住宅用で約470万kW、産業用では約90万kWでした。その後、固定価格買取制度が導入され、平成28年11月末では住宅用で521.6万kW、産業用では7567.2万kWまでに増加しました。特に、住宅用でも10kW以上の太陽光発電設備を導入するケースが増えたことで、産業用太陽光発電の導入が好調です。固定価格買取制度の開始により、飛躍的に再生可能エネルギーが普及したといえるでしょう。

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新制度における買取申請の手続き

FIT法改正後の新制度では、売電するためにどのような申請が必要なのでしょうか。

事業計画認定(設備認定)

固定価格買取制度で売電するためには、事業計画認定が必要です。これまでの設備認定が「事業計画認定」という新しい制度になりました。導入を検討している再生可能エネルギー設備が法令で決められた事業計画認定基準を満たしているか確認します。事業計画認定は、申請書類を提出してから約1〜2カ月程度かかるため、事前に認定基準を確認し、書類に不備がないようにしておくとスムーズです。

事業計画認定申請の手続き

事業計画認定は50kW未満の場合と50kW以上の場合で手続きが異なります。

50kW未満の場合は、設備設置者本人または代行事業者がWeb上で電子申請を行います。代行事業者が申請手続きを行う場合でも、設備を設置する本人が申請内容を確認する必要があります。代行業者に申請を任せた場合は、メールを通じて「承諾」か「拒否」の確認を行い、本人の「承諾」が確認できれば認定の審査に入ります。

50kW以上の場合、これまでは紙の申請でしか手続きが行われていませんでしたが、新制度ではWeb上のシステムに必要事項を入力し申請内容を登録します。申請書をプリントアウトし、必要書類を添付して経済産業省へ郵送、または直接持参して提出します。あらかじめシステムを通じて必要事項を入力しているので、内容に不備があればメールで連絡がきます。不備内容の修正もシステム上で行えるため、申請にかかる時間が短縮されます。

改正FIT法のポイントとは?

FIT法の改正により、太陽光発電事業にはどのような影響があるのでしょうか。改正FIT法のポイントをご説明します。

再生可能エネルギーを最大限導入していくための施策は、出力抑制だけではありません。電力会社の受け入れ可能量を拡大するために、系統に大規模な蓄電池を設置したり、電力会社だけでなく日本全体で効率的に再生可能エネルギーを受け入れるための広域的な系統利用を可能とするシステムの構築を行ったりという施策が検討されています。地域の状況や電力会社による違いはありますが、公平な抑制となるように整備されているので、出力抑制によって太陽光発電の設置がマイナスになる可能性は低いでしょう。

運転開始期限

固定価格買取制度の開始以来、問題点とされていることのひとつに未稼働案件対策があります。発電事業者が設備認定後、運転を開始しないまま長期間放置しているケースが増えていましたが、これは設備認定自体を売電の権利として売買する目的があるためといわれており、問題視されていました。過去の買取価格で設備認定を受け、太陽光発電設備の購入にかかる費用が値下がりした段階で運転を開始すると事業者に利益が生まれ、国民の賦課金に負担が生じることになります。そのため、現在では、事業計画認定後270日を経過しても場所・設備が確保されておらず正当な理由なく稼働しない案件は、認定が自動失効するなどの対策が適用されています。

FIT法が改正されたことにより、事業計画認定の申請段階で発電計画を具体的に確認し、実施可能性があると認められなければ認定されないため、未稼働案件対策に有効と期待されています。

モジュール変更解禁

今回の改正におけるもうひとつの注目点が、モジュールの変更解禁です。これまでの制度では、設備認定の際に申請した太陽光モジュールやパワーコンディショナーなど主要機器の仕様を変更する場合、新たに認定を求めて買取価格を変更しなければならない仕組みになっていました。しかし、改正FIT法による新制度では、事業計画認定以降のモジュール変更が認められるため、以前と同じ買取価格のまま発電することができます。

FIT法が改正されたことにより、事業計画認定の申請段階で発電計画を具体的に確認し、実施可能性があると認められなければ認定されないため、未稼働案件対策に有効と期待されています。

FIT法改正で注目度が高まる太陽光発電の未来

固定価格買取制度は、日本が再生可能エネルギー分野で世界的な競争力を得ようとする長期的なビジョンを背景に生まれました。今後も制度の変更・改善をしつつも政策の中軸をになうことに変わりはありません。買取価格の引き下げは、再生可能エネルギー設備の普及スピードを一時的に緩める要素になる可能性はありますが、FIT法の改正により未稼働案件に対しての対策がなされることで太陽光発電事業者の意識が変わり、再生可能エネルギーの普及にもつながると見込まれています。FIT法の改正によって、質の良い発電事業者がより評価されるチャンスが拡大するといえるでしょう。

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