2018年6月29日

将来の売電単価はどこまで安くなる?太陽光発電の売電価格について解説

将来の売電単価はどこまで安くなる?

将来の売電単価はどこまで安くなる?太陽光発電の売電価格について解説

売電のメリットに後押しされる形で、太陽光発電システムの普及は急速に進みました。しかし、ここ数年、急激に売電価格が低下していることから、今後の設置をためらう方も少なくありません。そこで「今からでも太陽光発電システムを設置するメリットがあるのか」という問いに迫ります。ここでは、主に、「余剰買取」における売電について、解説いたします。
決して安くない買い物だからこそ、設置をする側も、提案する側も今後の見通しについて知っておきましょう。

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【目次】

1. 太陽光発電の余剰電力は売電できる

2. 今後の売電価格について

3. 今後、太陽光発電を設置するメリット

4. 売電収入を増やすポイント

5. 太陽光発電システム設置の目的がシフト

太陽光発電の余剰電力は売電できる

日々の電気代を削減しながら、余った電力は売電できる点が住宅用太陽光発電システムの大きな魅力です。そこで、売電を支える「固定価格買取制度」や売電方法などについて解説します。

「固定価格買取制度」とは

太陽光発電システムによる売電は「固定価格買取制度」に則って行われます。「固定価格買取制度」とは、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーを用いてつくられた電力の買取を電力会社に義務づける制度です。
「Feed-In-Tariff」の頭文字を取って「FIT法」とも呼ばれます。2009年から施行されていた「余剰電力買取制度」を引き継ぐ形で2012年よりスタートしました。制度の背景には、コストの高さから再生可能エネルギーの普及が伸び悩んでいたという事情があります。そこで、一定の期間・単価での電力の買取を担保し、導入を促すことを目的に制度がスタートしました。売電によって収益の安定性が確保されたことで、長期的な見通しを立てやすくなりました。

実際、「固定価格買取制度」の開始を皮切りに太陽光発電システムの普及が急速に進みました。そのような中、2017年度にはFIT法が大きく改正され、売電に関する様々なルールが見直されました。
発電設備の設備自体を認定する方法から、発電設備としての事業計画を確認し、認定する方法にかわりました。これまで以上に安定した運用をすることが事業者に求めるようになりました。それは、ご自宅の屋根に設置されている10kW未満の太陽光発電システムを所有されている施主の方々も例外ではありません。

「余剰買取」とは

太陽光発電システムでつくられた電力の売買にはFIT法における「全量買取」「余剰買取」の2つの仕組みが用意されており設置容量によって、使用できる売電方法が異なります。「全量買取」とは、発電した電力を全て売電することができます。一方「余剰買取」とは、発電した電力を自家消費し、余った電力を売電に回す方法です。10kW以上の設備の場合には、「全量買取」「余剰買取」いずれかを選択することができ、10kW未満の設備の場合には「余剰買取」にて売電を行います。

「余剰買取」における売電単価と売電期間

10kW未満の太陽光発電システムの場合、売電期間は10年間です。2018年度の「余剰買取」を利用した場合の買取単価は、出力制御対応機器設置義務がある九州電力や東北電力のエリアでは28円/kWhとされ、設置義務の対象外である東京電力や関西電力のエリアでは26円/kWhとされました。「ダブル発電」を行う場合は売電単価が引き下げられます。エネファームなどの創エネ機器を導入し、太陽光発電システムとともにガスエネルギーを併用した場合などが該当します。2018年度であれば、九州電力エリアでダブル発電を行い、余剰買取を使用とした場合には、1円引き下げた27円/kWhが売電単価として適用されます。

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今後の売電価格について

FIT法における売電価格が毎年下がり続けていることを続けていることは比較的話題になりますが、その理由まではあまり知られていません。そこで、売電価格が下がり続ける理由や今後の見通しについて解説していきます。

現在(2018年)の売電単価

2018年度の売電価格は以下のように設定されています。

【10kW未満】

●出力制御対応機器設置義務エリア
北海道電力・東北電力・北陸電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力管内 :28円/kWh

●出力制御対応機器設置義務対象外
東京電力・中部電力・関西電力管内   :26円/kWh

出力制御対応機器設置義務の有無により売電単価は異なります。「出力制御」とは電力の受給バランスを保つために発電を一時的に停止する措置で、対象エリアでは出力制御対応型パワコンの設置が義務付けられます。そのため、設置義務のあるエリアに対しては2円ほど高い単価を適用して公平を保っています。

【10kW以上】

・18円+税/kWh(2MW以上のシステムに関しては入札により売電価格を決定)

売電制度が開始して以来、売電単価は毎年のように値下がりを続けています。実際、10kW未満の太陽光システムではピーク時の48円/kWhに比べて実に20円/kWhも値下がりしました。売電価格が下がった最大の理由は「設置コストの低下」とされています。そもそも、売電価格というのは発電設備の導入や維持管理にかかる費用をもとに、設置者が一定のメリットを得られるように計算されます。近年は、太陽光発電システムの設置に際し、設備費用が低下しています。FIT法がスタートした10年前と比較し、設備に使用する部材の選択肢も増え、大幅なコストダウンが可能になっています。つまり、売電価格が下がっても設置者にメリットが出るような仕組みや環境が整っているのです。導入費用とあわせ、運転維持費が下がったことも設備コストの低下につながっています。また、一方で、電力の買取費用は電気代に上乗せする形で国民から集められています。これを「再エネ賦課金」といい、電気料金の明細書にその項目が記載されていて、そこで初めて知った方も多くいるでしょう。再生可能エネルギーの普及に伴って年々国民の負担が増大しているという問題があります。このようなことも、売電単価の引き下げに繋がる大きな流れをつくり、また、太陽光発電システムの設置において、さらなるコスト低減が求められる1つの要因となっています。

売電単価の今後の推移

今後も設備コストの低減などを理由に売電単価の値下がりが進められていくことが予想されます。2019年度の売電価格は10kW未満で26円/kwh(出力制御対応機器設置義務あり)と発表されており、2018年度よりもまた2円引き下げられる見込みです。また、政府はできるだけ早い段階で設置コストを20万円/kWhにまで下げることを目指しています。上記の目標が達成された際には売電単価は電力市場価格である11円/kWh並みになるとされています。

期間満了後(10年後)の売電単価について

10kW未満の太陽光発電システムの売電期間は10年間とされています。そして来年、2019年には余剰電力買取制度がスタートした2009年の設置者が期間満了を迎えます。制度の開始以来初となる期間満了に向けた対策が急がれ、「2019年問題」として注目されています。買取期間の終了後は、電力会社には法的な買取義務はなくなります。資源エネルギー庁の見解としては、電力会社と発電事業者との協議で価格を決めるとしています。
各電力会社の方針は未定ですが、期間終了後の買取価格は高くても11円/kWh程度になると想定されています。買取期間終了後の売電単価は、卸電力取引市場価格と同程度になると見込まれているためです。

そのほか、2017年末に発表された資源エネルギー庁の見解では以下の2つの方法が想定されています。

1つは「小売電気事業者」や「アグリゲーター」との自由契約による売電です。「小売電気事業者」とは、電力の小売りを行う事業者のことで大手電力会社や新電力が該当します。また「アグリゲーター」は電力会社と需要家を仲介し、需要と供給のバランスを取る事業者を言い、これらの事業者が今後の売電先の1つとなっていくともいわれています。

もう1つは、蓄電システムを併用した電力の自家消費です。余剰電力を売電せずに蓄電池や電気自動車(EV車)に蓄電して使う方法にシフトすることで「自家消費型のライフスタイル」への転換を促す考えです。
売電単価が下がる中、FIT法に依存しない「脱FIT」や「卒FIT」が叫ばれることも多くなりましたが、資源エネルギー庁は、FIT法に頼らなくても再生可能エネルギー事業の採算がとれる仕組みづくりを進めています。今後、FIT法から自立した再生可能エネルギーの新たな活用モデルの登場が期待されます。

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今後、太陽光発電を設置するメリット

売電単価の値下がりが続いているなか「今設置してもメリットがないのでは」と不安視する声も多いです。しかし、これからの設置だからこそ得られるメリットもあります。

電気代の削減

脱FITとして、再び注目されていることが自家発電です。自家消費による電気代削減は太陽光発電システムの大きなメリットですが、昨今はさらにその重要度を増しています。その要因となるのが、近年値上がりを続けている電気料金です。燃料の値上げや震災に伴う原子力発電所の停止によって2011年以降急激に電気料金が値上がりしました。また、こうした値上げは続いていくとも言われています。そうした背景から、自宅で電気をつくる「創エネ」の必要性が高まっています。また、太陽電池モジュール自体の期待寿命は20年~30年ほどといわれています。そのため、固定価格買取制度による売電期間が終了した後も電気を作り続け、電気代削減に貢献してくれます。長期間使用できる発電設備として確保するため、パワコン等の周辺機器は定期的なメンテナンス行うことや寿命に応じた交換することが必要となります。

蓄電システムによる自給自足

今まで電力会社に売電していた余剰電力を蓄電池に貯めて使うことで高い電気を買わずに生活しようという動きが見られています。現在、各社が小型で比較的安価な住宅用蓄電池をリリースしているほか、近年では電気自動車(EV車)も「走る蓄電池」として注目を集めています。住宅やカーポートに設置された太陽光発電システムで発電した電気を利用して車を動かせるほか、電気の自給自足や災害・停電時の非常用電源などとしても活用することが想定されています。これまでのように移動手段の1つとしての車、という位置づけだけではなく、新築住宅と一緒に購入を検討するようになることも多くなるでしょう。

設置コストが下がっている

太陽光発電システムの設置にかかるコストは年々値下がりしています。固定価格買取制度が始まった2012年の住宅用太陽光発電システムの設置費用は、50万/kWhほどでした。しかし、2017年になると約6割程度まで大きくコストが下がりました。一般家庭における平均設置容量は4~5kWほどといわれていますので、初期費用だけでみても、この5年で50万円近くの差がついています。設備コストの低下によって、1kWhあたりの発電コストも下がっています。発電コストが「普通に電気を買う価格と同等」もしくは「普通に電気を買う価格よりも安い」状態になることを「グリッドパリティ」といいますが、2015年には、住宅用太陽光発電システムにおいて「グリッドパリティ」が実現したとNEDOが発表しました。

モジュール性能の向上

モジュールの発電量は向上しています。約10年前の住宅用モジュール最大出力はおよそ150W程度でしたが、現在の最大出力は 平均220Wほどにまで向上しています。そのため、同じ屋根でも以前より多くの容量を設置できるため、得られる発電量も多くなりました。政府が策定したロードマップでは、モジュールの変換効率を2020年までに20%に、2030年には25%に高めるという目標が掲げられています。モジュール性能に関しては、発電量以外にも今後さらなる改善が目指されています。様々な屋根に対応するモデルや積雪や塩害への対応も進み、これまでよりも多くの屋根に設置することが可能になるでしょう。

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売電収入を増やすポイント

売電価格が値下がりしているとはいえ、やはり少しでも売電収入は増やしたいものです。そこで、売電収入を増やすために押さえるべきポイントを紹介します。

節電

余剰買取で売電の対象となるのは「自家消費した後に余った電気」です。平均的な家庭で自宅の屋根で発電した発電量の30%を自家消費していると言われています。つまり年間5000kWh発電している場合、そのうちの1,500kWhは自家消費分として使用し、残りの3,500kWhは売電分ということになります。

同じ発電量でも、節電して自家消費分を減らすことができれば売電量は増やせます。特に太陽光発電システムが電気を作っている日中の電力消費を抑えることで、より多くの電力を売電に回すことができます。

太陽光発電システムの周辺機器の1つである「電力モニター」には、発電量や売電量、また電気の使用状況を表示する機能があります。リアルタイムな使用状況が見やすい画面に表示されるので、家族で楽しみながら節電に取り組むことができます。また、家電の省エネ性は年々向上しています。長年買い替えていない家電を新調するだけでも消費電力を大幅に減らせる場合もあります。

蓄電池との併用

蓄電池と併用することで売電量を増やすことができます。割安な夜間電力を使用し、夜のうちに蓄電池にためた電気を昼間のピーク時に使えば、購入する電力量を抑え、売電量を増やすことができます。さらに、日中の電気料金単価が割高なプランも多いですが、夜間に蓄電しておけば安価な深夜電力を日中も使用できます。停電などの非常時には、パワコンの自立運転モードを使用し、蓄電池に充電し、太陽の出ていない夜にも電気を使用することが可能です。

故障やトラブルの防止

「太陽光発電システムはメンテナンスフリー」と言われることがありますが、十分な発電量を得るためには定期的なメンテナンスは欠かせません。売電収益を増やすには、出力低下の原因である機器の不具合に十分注意する必要があります。

モジュールの汚れや破損などの不具合は出力低下を引き起こすばかりではなく、放っておくと発熱・発火の原因にもなります。そのため、定期的な点検で不具合の早期発見が必要です。住宅用太陽光発電設備においては、点検の義務化はされていませんが、JPEAのガイドラインによると、設置後1年目には初期的な不具合の確認をし、その後は4年ごとの点検が必要とされています。また、日常的に機器の不具合を見つける方法として「こまめにモニターを確認する」という方法があります。通常、晴れた日であればシステム出力の70%~80%程度の出力が得られます。晴天にもかかわらず発電されていない、もしくはエラーが表示される場合は機器の不具合が疑われます。もし、異常に気付いた場合は専門の業者に点検・修理を依頼しましょう。

売電先の切り替え

大手電力会社より高い売電価格で買取を行っている事業者に切り替えることで、売電価格を増やせるケースがあります。一時期は、大手電力会社の売電価格よりも1円高い「プレミアム価格」を打ち出している新電力も多数ありました。現在は買取を中断しているところも多いですが、売電とセットで割引をしているところなどもあるため、ご自身の条件などにマッチした選択をしたうえであれば、切り替えによる経済的なメリットも期待できます。

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太陽光発電システム設置の目的がシフト

2012年にスタートして以来、太陽光発電システムの普及を牽引してきた固定価格買取制度。高い価格で売電ができることから、売電によるメリットを期待した設置が相次ぎました。太陽光発電システムが普及した昨今、売電価格の値下がりに伴って設置の目的も売電から自家消費にシフトしつつあります。

今後、蓄電池や電気自動車と組み合わせることで「電気を買わずに生活する」暮らしが今以上に主流を占めていくと見られています。

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