2018年8月29日

太陽光発電のメンテナンス・維持は必須!費用や項目について解説

太陽光発電のメンテナンス・維持は必須!費用や項目について解説

太陽光発電システムは、FIT開始以降、収益性が注目され、急激に増加傾向にあります。しかし、太陽光発電における収益は安定した継続できる発電事業を行えてこそ確保できるものです。
十分な発電量を確保し、投資資産としての価値を保つためにもメンテナンスは不可欠です。
特に近年はO&M市場も活況で、メンテナンスに対する意識も高まりつつあります。
そこで今回は、太陽光発電メンテナンスにかかる費用や必要な項目について解説します。

太陽光発電のメンテナンス・維持は必須

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【目次】

1. メンテナンスが必要な理由

2. 改正FIT法とは?

3. メンテナンスの内容と頻度について

4. メンテナンス費用の相場は?

5. メンテナンスはプロの業者に依頼しよう

1. メンテナンスが必要な理由

太陽光発電システムはメンテナンスにかかる手間が比較的少ないことから、「メンテナンスフリー」とさえ言われていた時期もあります。

しかし、太陽光発電システムのトラブルが報告されるにつれ、メンテナンスの必要性が見直されました。

2017年に施行された改正FIT法ではメンテナンスの義務化が盛り込まれるなど、近年メンテナンスは太陽光発電事業において必須のものとなりました。

メンテナンスが必要である具体的な理由として主に以下のようなことが挙げられます。

●発電効率低下

太陽光発電システムへの投資による収益は発電した電気を売電することで得られます。発電量の減少はそのまま売電収入、つまり投資による収益の減少に直結します。

機器の不具合や劣化、ソーラーパネル表面の汚れは出力低下に繋がります。パネル表面の汚れを放置することで、年間1%~2%ほど発電効率が下がるケースも報告されています。

現在、販売されているソーラーパネルは表面に付着した埃などの汚れを雨水と一緒に排水しやすいような設計がされていたり、防汚加工がされているものも多くありますので、大半の汚れの大部分は雨風によって流れていきくことが多くあります。しかし、鳥のフンや、地域や気候によっては、雨で流れない汚れが付着するケースも多くあります。このような場合には専門の業者に清掃を依頼する必要があります。

また、「PID現象」による出力低下も問題とされています。PID現象」は「Potential Induced Degradation」の略で、モジュールの劣化により、フレームとモジュール内部の回路間の電位差が大きくなる傾向があり、電流漏れを起こし、大幅な劣化および出力低下をもたらすという現象です。高温多湿の環境で、なおかつ高い電圧のかかる大規模システムなどで発生するとされます。

現在は多くのモジュールメーカーがPID対策をとっていますので、「PIDフリー」という仕様が打ち出されている製品が多くあります。

定期点検などのメンテナンスをこまめに行うことで異常を早期発見し、損失を最小限にとどめることが重要です。

いずれにしても、こうした出力低下を放っておくと、その間、売電収入にロスが生じたままになります。定期点検などのメンテナンスをこまめに行うことで異常を早期発見し、損失を最小限にとどめることが重要です。

●事故の防止及び安全性確保

十分なメンテナンスが行われないことが大きな事故を引き起こすリスクもあります。

例えば、パネル表面に付着した強固な汚れは、放置すると、発電ロスだけではなく、汚れによって影になった部分が熱を持ち、発火につながることがあります。これを「ホットスポット」といい、セルの破損や火災の原因になるため大変危険です。

また、施工時に、誤った配線や施工が行われ、負荷がかかり損傷したケーブルや、正しく機能していないパワコンが発火の原因になることもあります。

本来、パネルを設置するための架台や金具も設置基準に則った施工を行えば、強風時にも簡単には飛散しないように固定されています。

しかし、施工の不備や劣化によってボルトの弛みや架台の不具合が生じると、強風時にパネルが飛散する危険性が高まります。

事故防止のためにも、正しい商品選定や、設置を行うことは当然ですが、パネルや架台にネジの弛みがないか、変形・破損が生じてないかを定期的にチェックすることが求められます。

●セカンダリー取引

近年、注目されている太陽光発電所そのものの売買、すなわち「セカンダリー取引」の市場は今後も拡大するといわれています。セカンダリー取引において実績の証明に用いられるのが「デューディリジェンス」です。「デューディリジェンス」とは、一般的に企業等の資産価値を図るための調査活動のことです。太陽光発電所の取引においては設備の状態や価値を調査し、収益性等を評価する「評価診断」を指します。デューディリジェンスは発電所の価値や品質について担保する「鑑定書」のような役割を果たします。

2018目年。デューディリジェンスの必要性が高まる中、、JPEA(太陽光発電協会)が中心になり、「太陽光発電事業の評価ガイド」と呼ばれるガイドラインが発表されました。「太陽光発電事業の評価ガイド」には発電設備そのものの安全性や信頼性、という面での評価だけではなく、土地の権利や収益性、地域との共生など、多面的な評価基準が盛り込まれています。

発電設備の安全性という評価においては、点検結果や稼働データといったメンテナンスデータが重要になります。この「太陽光発電事業の評価ガイド」内においても評価項目の1つとしてとして保守修繕の項目が設けられています。資源エネルギー庁からも、この「太陽光発電事業の評価ガイド」については、中古市場の活性化客観的な評価による取引の活性化にもつなげられるという見識が出されています。

  

つまり、適切なメンテナンスを行うことは、今後、太陽光発電設備を資産価値として考えた際、その価値を維持するために必須の項目であるといえるでしょう。

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2. 改正FIT法とは?

太陽発電設備の運用管理と保守点検、一般的には Operation&Maintenance を略し、O&Mと言われますが、メンテナンスサービスが注目されるきっかけとなったことの1つにFIT法の改正があります。

改正FIT法の中に新たに盛り込まれた項目として、「メンテナンス義務化」があります

FIT法改正までは、「設備認定」の要件をクリアしていれば売電の権利を得ることができていました。しかし、改正後は事業の確実性や適切性に関する「事業計画認定」の要件が加わりました。

事業計画認定の導入に伴い、経産省の「事業計画策定ガイドライン」に沿った詳細な事業計画の提出が必須となりました。その中に「運用・管理」の項目もあり、「適切に点検・保守を行い、発電量の維持に努めること」「定期的に費用、発電量等を報告すること」などがあります。具体的なメンテナンス体制やスケジュールを事前に準備することが必要といれるでしょう。
また、認定後であっても適切な保守管理がなされていない場合、認定が取り消される場合がありますので、運用開始後も注意が必要です。

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3 メンテナンスの内容と頻度について

ここまで、太陽光発電システムにおけるメンテナンスの重要性について解説しました。実際にメンテナンスを行う際の参考として、具体的な内容や頻度について説明します。

設置者自身で行うメンテナンス

業者に依頼するような専門的な点検以外にも、設置者ご自身で目視による点検を行うことで以上の早期発見が可能です。特に落雷や台風などの後には傷や破損・異常音がないかを確認しましょう。太陽光発電は、一部が破損していても、日射があると発電を続けるケースがありますので素手で触れると感電する場合があります。配線でつながっている周辺機器から漏電が原因で感電や火災の危険も多くあります。また水没・浸水の場合も感電の恐れがあります。素手で触れずに、電気用のゴム手袋などの絶縁性のある手袋を使用するなどの注意が必要です。異常があれば速やかに業者まで相談しましょう。

業者に依頼するような専門的な点検以外にも、設置者ご自身で目視による点検を行うことで以上の早期発見が可能です。

O&M企業でやっている主な内容・サービス

FIT法改正に伴うメンテナンス義務化を皮切りに注目を集めたO&M。太陽光発電システムにおける運用管理・保守管理を請け負うサービスです。多岐にわたるメンテナンス項目を持ち、太陽光発電システムの長期安定稼働をサポートします。具体的なサービス内容は業者によって異なりますが、概ね以下のようなサービスを行っています。

監視業務

太陽光発電システムの発電状況をリアルタイムで見える化・記録するサービスです。万が一出力低下や発電停止が発生した場合はアラートなどで設置者に通知をするケースが多くあります。発電量の監視によってトラブルが早期発見でき、発見が遅れることによる収益ロスを最小限に食い止めます。

一時対応(駆けつけ)

主に、パワコンの停止や自然災害によるトラブルなど、発電所の不具合を感知した際に駆けつけて対応するサービスです。迅速に対応を行い、発電量の低下による損失を最小限に抑えることを目的としています。即日対応や24時間対応を行っているところもあり、業者によってサービス内容は異なります。また、対応には応急措置などの「一次対応」や、詳細な点検の後に修理や交換を行う「二次対応」があります。駆けつけ対応におけるサービス範囲も業者によって様々です。

定期点検

点検によって、損失が出る前に異常を検出することを億滴としています。不具合発生を未然に防ぐことも可能なため、リスクを大きく軽減できます。定期点検で確認すべき項目は多岐にわたりますが、大きくは、「製品点検」「運転点検」「数値測定」の3つがあります。「製品点検」では、ソーラーパネルやパワーコンディショナ・架台などの周辺機器を点検します。また、「運転点検」ではパワーコンディショナ等の動作確認を行います。「数値測定」は電圧測定や絶縁抵抗測定を行うことで不具合を発見します。

修理・交換

故障や不具合が発生した際に、交換が必要な部品や機器に対して修理または交換対応を行います。プランや業者によっては交換や修理に別途費用がかかる場合もあるので事前に確認を行いましょう。

報告書

経済産業省に提出するのに必要な報告書や、設置者に発電状況を知らせる報告書を作成します。また、トラブル時の障害対応に付随して不具合や対処の詳細を提出する業者もあります。業者によって取り扱っている報告書が異なる場合もあるので確認が必要です。

サイト管理

上記の対応に加えて、パネルの洗浄や雑草対策など発電所の用地を対象とした管理もあります。雑草の多い敷地の場合は発電量のためにも雑草対策は欠かせないなど、設備の立地条件や周辺環境、気候などによって必要な作業は異なります。発電所の環境を確認したうえでどのような点に注力すべきかを判断しましょう。

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4 メンテナンス費用の相場は?

投資の計画を立てるうえで、メンテナンス費用をはじめとしたランニングコストの把握は重要です。そこで、メンテナンスにかかる費用の相場について解説します。

住宅用の場合、4年に1度の定期点検とパワコン交換費を合わせて年間3,600 円程がメンテナンス費用の相場であると言われています。

一方、産業用の場合は高圧と低圧ではO&M市場が分かれており、費用感も異なります。

高圧や特別高圧の場合は、価格の幅が大きいものの、年間で100万円~200万円/MW程度といわれます。「遠隔監視」「駆けつけ対応」「定期点検」が中心で、修理・交換時期を予め決め、機器の劣化に備える場合もあります。

高圧の場合、規模が大きくなればなるほど、事業者も発電量の損失に敏感になります。

業者に依頼するような専門的な点検以外にも、設置者ご自身で目視による点検を行うことで以上の早期発見が可能です。

加えて、保安規定が必要なこともあり、高圧・特別高圧の事業者はO&Mへの意識が高い傾向にあります。また、O&M業者としても1件当たりの費用が高いため採算がとりやすく、設置者とO&M業者のニーズが一致しやすい状況にあります。

一方、低圧の場合、1つの発電所あたり、年間10~20万円程度のサービスを提供しているケースや、また、月額1万円程度に抑えたパッケージや初月無料のものもあります。内容は「遠隔監視」「駆けつけ対応」「定期点検」が主ですが、中には売電補償などとセットでサービス提供されているケースもあります。一概にはいえませんが高圧に比べてO&Mに対する意識は低い傾向にあるといわれます。

また、O&Mサービスを提供する業者にとっても、1件当たりのO&M費用としての契約額が高くないため、採算がとりにくいのが現状です。そのため、低圧向けのO&Mサービスで採算をとるには相応の件数が必要です。しかし、計画段階でO&Mの費用を見込んでいないケースや売電収入からO&Mとして充てられる費用に限りがある事業者も多く、今後の意識改革が課題となっています。

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5 メンテナンスはプロの業者に依頼しよう

ランニングコストを減らすために、業者に頼まずに自身でO&Mをと考える方もいます。しかし、不具合には目に見えないものも多く、設置者自身による点検のみでは不具合を見逃してしまう恐れがあります。

例えば、「マイクロクラック」というパネル表面の傷は出力低下の原因ですが、発見には、EL検査という専門的な検査が必要になります。そのため、設置者自身による目視による点検のみでは目に見えない不具合を多く見逃してしまいます。不具合が見逃されている間、売電量ひいては売電による収益は減ったままになります。また、自身で行って二度手間・三度手間になった場合、長引いた分さらに損失が大きくなります。

 

また、近年多くの企業がO&M事業に参入していますが、その中から必要なサービスを選びましょう。近年では、サービスも多様化しており、様々な企業が独自のプランで差別化を図っています。独自のメニューを売り出している企業 や販売店や工事店によっては自社施工した低圧の設備を対象に初年度は無料でサービスを提供する企業もあります。

一概に「大きな会社だから安心」というわけではなく、地元の企業でも長く携わっていることで高い技術を持った企業もあります。トラブル時の駆け付け対応を行う際、本拠地が近くにある業者だと迅速な対応が期待できるというメリットを強みにしている企業もあります。

その設備の規模や立地条件、気候などによって、必要となってくるメンテナンス内容は異なります。

選択肢が幅広くなっていますので安易にご自身で行うのではなく、信頼できるサービスを見極め、O&Mは専門業者に依頼することをお勧めします。

あとがき

必要性が注目されているとはいえ、太陽光発電での投資を考える際に「O&M費用」まで想定されているケースばかりではありません。

特に低圧では「メンテナンスフリー」という考えがまだ払拭されきれず、O&Mへの意識はまだ低い状況です。確かに、パネルの期待寿命は20年以上とも言われており比較的壊れにくい機器であるともいわれます。

しかし、メンテナンスを疎かにすると、いざトラブルが起きた際に発見・対応が遅れ、その間の売電損失がどんどん膨れ上がります。また、不具合を放置するとパネルの飛散や発火といった事故に発展し、周囲に被害を及ぼすこともあります。

多少の費用や手間を鑑みてもO&Mは万全にしておくことが必要です。

そのため、事業の計画を立てる際はO&Mの費用も想定に入れ、安心した発電事業を目指しましょう。

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