2018年8月17日

太陽光発電 高圧システム導入時のポイント

※2018年8月17日 情報更新

太陽光発電 ビジネス イメージ

◆ 再生可能エネルギー「主力電源化」太陽光高圧システムは長期安定電源として注目されています。

国が再エネを主力電源として打ち出している今、長期安定電源になりえる太陽光発電の高圧システムは注目されています。
高圧案件の導入や設置をビジネスチャンスととらえている方も多くいらっしゃいます。

しかし「高圧案件は導入時の手続きが面倒なのでは?」「商材の選定が難しくて手を出せない。」などのお悩みも耳にします。

一方で導入時のコスト面、手続きやメンテナンスの容易さ、という点においては低圧案件も変わらずニーズがあります。高圧・低圧のそれぞれの導入におけるメリット・デメリット、またポイントは異なります。

ここでは低圧・高圧の違いを基に、高圧システム導入時のポイントを解説します。

【目次】

  1. 太陽光発電システムの区分とは
  2. 電気事業法における取扱いについて
  3. 「高圧」システムの設備導入の注意
  4. 「高圧」メリット・デメリット

太陽光発電システムは導入区分は、平成29年度の改正FIT法施行で「住宅用(10kW未満)」「非住宅用(10kW以上2,000kW未満)」「非住宅用(2,000kW以上)」の3つに分類されました。

一般的には「低圧」「高圧」という区分は産業用、つまり「非住宅用」という区分になります。「低圧」・「高圧」いずれも、「非住宅用(10kW以上2,000kW未満)」に含まれ、「非住宅用(2,000kW以上)」は「特別高圧(特高)」と呼ばれます。

この区分により再生可能エネルギーの固定価格買取制度の買取価格は定められ、また、電力会社との系統連系も、こちらの設備容量が基準となります。

● 固定価格買取制度の買取価格

平成28年度にFIT法の内容が大幅に改正され、平成29年度から数年先の価格目標や入札制度などが導入されました。

1) 住宅用(10kW未満の住宅用太陽光発電)

出力制御対応機器設置義務なし:平成30年度 26円(平成31年度は24円)
出力制御対応機器設置義務あり:平成30年度 28円(平成31年度は26円)

2) 非住宅用(10kW以上2,000kW未満の非住宅用太陽光発電)

1kWh当たり18円+税

3) 非住宅用(2000kW以上の非住宅用太陽光発電)

入札制に移行し、落札した価格が買取価格となります。

● 電力会社との系統連系区分

太陽光発電システムを設置し、系統連系を行う場合、発電設備の設置者と電力会社との間で事前に導入の条件について個別に協議を行う必要があります。

資源エネルギー庁は協議に必要となる技術基準・要件について定めた「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」を制定しており、こちらのガイドラインに記載されている設備容量に応じた区分に基づき系統連系の接続方法が選択されています。

1) 「低圧」10kW以上50kW未満
【電圧】
100/200Vなど
【設備関連】
低圧配電線・直接引き込み・柱上変圧器で降圧して配電
【連系契約】
低圧連系 単相3線・三相3線
【電気主任技術者】
不要
【保安規程】
不要
【事前協議】
およそ1か月/無料
2) 「高圧」50kW~2MW未満
【電圧】
6,600Vなど
【設備関連】
高圧配電線・キュービクル必須・配電用変電所から柱上変圧器まで6,600Vで配電
【連系契約】
高圧連系 三相3線
【電気主任技術者】
必須
【保安規程】
要届け出
【事前協議】
およそ3か月/有料
「特別高圧」2MW以上
【電圧】
33,000Vなど
【設備関連】
送電線・キュービクル必須・2次変電所から送電線経由で33,000・66,000Vで配電
【連系契約】
特別高圧連系 三相3線・中性点設置
【電気主任技術者】
必須
【保安規程】
要届け出
【事前協議】
およそ4か月/有料

▲ ページTOPへ

太陽電池発電設備の設置についての法制上の取り扱いは、電気事業法において、その設備の出力容量や電圧の種別に応じて定められています。

● 1) 「低圧」10kW以上50kW未満の設備

電気事業法上は小出力発電設備となり、「一般用電気工作物」になります。

600V以下の電圧で受電するのが、それと定められていますので、出力50kW未満の太陽光発電設備だけではなく、出力20kW未満の風力発電設備や水力発電設備もこちらに含まれます。

設置の工事にあたっては電気工事士法に基づき電気工事士(第一種又は第二種)が作業を行う必要があります。一般用電気工作物となるため、届出等の手続きは不要ですが、経済産業省令で定める技術基準に適合させる義務はあります。

施設方法によっても自家用電気工作物と扱われる場合がありますのでご注意ください。

● 2) 「高圧」「特別高圧」50kW以上の設備

電気事業法上は600Vを超える電圧で受電しているため、事業用電気工作物(発電所)となり、「自家用電気工作物」になります。自家用電気工作物ですので、設置して利用する者は以下の義務が発生します。

  • 経済産業省令で定める技術基準に適合するように電気工作物を維持する義務。
  • 電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するため、保安規程を定めて届け出る義務。
  • 電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるために、電気主任技術者を選任して届け出る義務。
    (その太陽電池発電設備が高圧以下で連系する出力2,000kW未満の場合は、経済産業大臣又は産業保安監督部長の承認を得て電気主任技術者の業務を外部に委託することもできます。)
  • その太陽電池発電設備が出力2,000kW以上の場合は、設置工事の30日前までに工事計画届出書を届け出る義務。

▲ ページTOPへ

各法令等で定められている区分の違いを踏まえ、高圧と低圧では、事前の届け出など大きく異なる点があります。
ここでは高圧システム導入時の注意点の中から主に以下の4つをご紹介します。

● 電力会社との接続検討

高圧連系では、電力会社との事前協議が必要となります。協議には高圧の場合には3か月、特別高圧であれば4か月を要するといわれています。

太陽光発電システムの設置場所の周辺に及ぼす影響などを鑑みて、連系の可否を決めること、また連系設備工事の概要を報告し、電力会社と共有する必要があります。

検討費用としても費用が発生し、条件によって異なりますが、多くの場合、20万円以上の費用が発生します。

● キュービクル(変圧器)の設置費用

お金 イメージ

経済産業省令で定める技術基準に適合させ、電気工作物を安全に維持する義務が生じます。

キュービクルとは高圧連系の場合に、必要となる変電設備です。高圧連系の場合、電力網は6,600Vという高圧の電力が流れています。その電力網と接続するために変電する必要があるため、必須になります。

高圧で電力網と接続する工場などにも置かれる設備ですが、産業用太陽光発電で接続する場合は、固定価格買取制度に対応した専門のキュービクルやパワーコンディショナーと一体となったものなどが準備されています。

● 電気主任技術者の選任・委任

高圧設備を保有・管理する中で電気事業法ではキュービクルの保安点検が必要とされています。電気主任技術者の選任と、届出の義務があります。

一定の要件を満たすような法人、もしくは個人と保安監督業務に関する委託契約しており、保安上支障がないと国の承認を得ることができれば、外部に委託することも可能です。

2,000kw未満まで外部委託が認められていますが、特別高圧の場合には外部機関への委託契約は認められていないため、電気主任技術者の選任が必要です。

● 保安規程の届出の義務

発電用の電気工作物(発電所)と位置づけ、「自家用電気工作物」と区分されているため、設置者には保安規程の作成・届出・遵守が義務付けられています。

その他、また設置工事においても、低圧であれば第一種、もしくは、第二種電気工事士が工事を行うことができますが、50kW以上のシステムの場合、第二種電気工事士では工事を行うことができず、第一種又は認定電気工事従事者が作業を行う必要があります。

▲ ページTOPへ

高圧システムの設置、導入についてのメリットとデメリットを考えてみましょう。

● 設置前・届け出

電気事業法上の「自家用電気工作物」であることにより、さまざまな義務が発生します。電力会社との協議なども必要となるため、契約から売電開始までに要する期間も長くなることで高圧システムへの取り組みを敬遠する方も多くいらっしゃるでしょう。

低圧の場合、設計から工事までが比較的短期間で終わることも多いといわれます。電気主任技術者や保安規程などの届け出も不要なため、高圧と比較すると手軽なイメージがあるかもしれません。

また、高圧の場合には、キュービクルをはじめとして、商品の選定に専門の知識が必要であることもハードルが高いことの1つです。商品選定は案件の条件によって大きく異なります。

専門家からの正しいアドバイスを受け、状況に最も適した商品選定を行うことが必要です。正確な手順を踏めば、初めての方でもトラブルなく運用開始にこぎつけることは可能です。

● コスト

低圧の場合、初期の導入時の部材や土地の購入、またイニシャルコストという面で見たときに、高圧案件とは規模が異なる分、低く抑えることができます。高圧の場合、電力会社との高圧連系契約が必要となり、高圧受電設備(キュービクル)や電気主任技術者の選任・委託、各種保安規定の届出等に伴う費用が必要となります。

しかし、一方、高圧案件は1kWあたりのシステム単価、として考えた場合、全体として大きく費用を抑えることができます。規模を大きくすることにより、仕入れの部材や土地代、工事費等、諸々のコストなどを含め、システム単価としては安くなるケースが多くあります。

● 収益

高圧の場合、設備が大きい分、発電量が多くなるので、売電による収入はその分、大きくなります。コスト面で前述したシステム単価という面を鑑みても、投資という側面で考えたときには費用対効果を考えやすいという点で大きなメリットがあります。

● 将来性

「安定した長期間の発電設備」という意味で高圧システムは注目されています。

目先の手軽さで簡単にスタートできるイメージの低圧システムとは異なり、準備期間に時間や手間を要している分、一度始めた発電所の運用を安易にストップしにくい、事業を継続する可能性が高い、という理由があります。

また、現在、これからの市場として期待されているセカンダリー市場(中古太陽光発電所取引)においては、高圧・特別高圧の案件が中心となっています。資産という面での取引を行うにあたっては、品質基準が重要となります。

設計評価、発電量の調査、竣工検査などのデューデリジェンスといった第三者による評価が必要とされます。その場合、保守管理が行われていない低圧案件が敬遠されやすいともいわれています。

逆の側面から考えると、高圧・特別高圧であれば、定期的な保守管理が行われていることが約束されある程度の品質が施工時に正しい商品選定や工事が行われていることが最低限の条件になっているということにも繋がります。

導入時には、そのことを踏まえ、商品選定や工事計画を準備する必要があります。

低圧と高圧の違い、それぞれのメリット・デメリットがあります。
長期間の運用を目指すのであれば「高圧」を選択するメリットは大いにあります。正しく理解して、状況や目的に合致した導入を検討することが必要になります。

▲ ページTOPへ

こちらのコラム・商品詳細ページも一緒に読まれています

高圧・キュービクルに関するコラムはこちら

「高圧受電契約の仕組みとキュービクルを設置するメリット」
https://rakuene-shop.jp/columns/2613/

高圧関連商品・キュービクルはこちら

「キュービクル~各種メーカー多数取扱中~」
https://rakuene-shop.jp/items_search/cubicle/

●「そもそも商品の選定方法がわからない」「高圧案件の提案に自信がない」という方は楽エネまでお気軽にお問合せください。

お問い合わせはこちらから https://rakuene-shop.jp/form/

▲ ページTOPへ

本サイトに掲載している情報の完全性、正確性、確実性、有用性に関して細心の注意を払っておりますが、掲載した情報に誤りがある場合、情報が最新ではない場合、第三者によりデータの改ざんがある場合、誤解を生みやすい記載や誤植を含む場合があります。その際に生じたいかなる損害に関しても、当社は一切の責任を免責されます。

本サイト、または本サイトからリンクしているWEBサイトから得られる情報により発生したいかなる損害につきまして、当社は一切の責任を免責されます。本サイトおよび本サイトからリンクしているWEBサイトの情報は、ご利用者ご自身の責任において御利用ください。

  • 楽エネについて
  • 今月のキャンペーン
  • オリコB2Bサポートプランお申込みについて